海辺の村に赴任してきた警官のヨンナムは、少女ドヒと出会う。ドヒは血のつながりのない継父ヨンハと暮らし、日常的に暴力を受けている。村全体が暴力を容認しているなか、ひとり立ち向かっていくヨンナムは、ドヒを守ってくれる唯一の大人だった。ヨンナムもまた少女の笑顔に癒さてゆくが、やがて激しく自分に執着するようになっているドヒの存在に少し戸惑いを憶える。ある日、偶然にもヨンハはヨンナムの秘密を知り、彼女を破滅へと追い込んでゆく。ヨンナムを守るため、ドヒは危険な選択をするが・・・。人を愛することをあきらめていた“私”は少女を守るために心を許し、無力だった幼い“少女”は初めて誰かのために行動をおこす。ありのままの自分を認めてくれる人がいれば、人はきっと強くなれる。ふたりが背負わされた過酷な運命から一歩前へと踏み出す、希望の物語。
カンヌ国際映画祭 「ある視点」部門に、オリジナル脚本のデビュー作で選ばれるという偉業を成し遂げたチョン・ジュリ監督。女性監督ならではのきめ細やかな描写でリアルに物語を紡ぎだし、社会の闇を静謐ながら緊張感あふれる演出で浮き彫りにする。 出演は韓国の観客動員記録を塗り替えた大ヒット映画『グエムル-漢江の怪物-』、日本映画『空気人形』、そしてウォシャウスキー姉弟の『クラウド アトラス』で、ハリウッドデビューを果たしたペ・ドゥナ。脚本を受けとった3時間後には出演を快諾し、2年ぶりに韓国映画への復帰を果たす。共演は『冬の小鳥』『アジョシ』で、その確かな演技力が高く評価されているキム・セロン。複雑な役柄のため一度は辞退するも、「500人の子役をオーディションしても決められなかった」という監督から、再度ラブコールを受け出演を決意した。また脚本に惚れ込んだ『オアシス』などの巨匠イ・チャンドン監督が、自ら申し出てプロデューサーを努めている。奇跡のような巡りあわせが、この力強い傑作を誕生させた。